(2019年5月29日のお客さまへのお便りより抜粋)

いつも野菜を食べていただき、ありがとうございます。畑の様子をお伝えしたいと思いながら、できていません。本当に、ごめんなさいm(__)m

農家は忙しいというのは単なる言い訳で、仕事も暮らしもみなさんと同じ忙しさです。では、なぜ、お伝えできなかったかというと、正直に言うと、試行錯誤、いえいえ、暗中模索、悪戦苦闘の毎日だったからです。迷っていたので、いろいろ言葉にするのが怖かったです。

去年の酷暑以来、宮島での夏の野菜作りはこれからは難しくなると実感しました。畑は南向きで陽当たりがよく、温暖な地域です。「とても良い畑ですね」とよその農家さんに言われてきたのですが、、、暑すぎます 汗。

酷暑の原因はいろいろあると思いますが、そのひとつは温暖化であるという研究があります。もし温暖化がなければ、去年の酷暑が発生する確率は、ほぼ0%だったそうです。とすれば、これから毎年酷暑が当たり前になっていくということです。

まずは、酷暑みたいな異常気象に強い野菜作りを、そして温暖化をこれ以上進ませないサスティナブルな農業をしなければいけません。

危機感は、人を成長させてくれますね(笑)今まで読む動機のなかった『一万年の旅路』や『土の文明史』やら、分厚い難しい本を夢中で読みました。人類がどうやって生き延びてきたか、土とはそもそも何なのか、がそこには書かれていました。そして、私たちの思い描くこれからの農業、「人が自然から食べものをもらいながら、かつ豊かな自然を維持していく」には、どうしたらよいか。

畑で考え始めて、気がついたら同じ場所で1時間近く立っていたこともありました(笑)日照りが続いたあと、雨が降ったあとの土を掘って匂いをかぎまくって、どういう変化が起こっているのか、観察を続けました。

そしてこのあいだ、とうとう見つけたのです。

答えは、とてもシンプルで、昔の農業にありました。

私たちの身近にあるものを使って野菜を育てる。ありあわせの、ブリコラージュな農業。有機物であれば、なんでもよいのです。どんな場所でも、どんな気候でも適応できる農業です。私たちの畑は、山と海に囲まれているので、落葉と海藻があります。それをうまく使えば、野菜が育つのです。まだ○○農法や○○栽培と呼ばれる前の、昔の人が昔からやってきたやりかたです。

ん、これまでも、中岡農園はそうだったんじゃないの?と思われるかもしれません。それはそうだったのですが、「宮島の自然が育てる野菜」を新しい感覚で、新しい技術で、新しい言葉でとらえることができた、ということです。落葉について、不耕起について、土に空気を入れるピッチフォークについて、これから順番にお伝えしていこうと思っています。

伝統的で原始的な農業が、これからの新しい農業のひとつになっていく。私たちの仕事と暮らしを、野菜を買って支えてくださるみなさまとの共同作業だと思っています。コミュニケーションベタですが、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

(なによりもまず、そうやって育てた野菜、美味しいです!!)